相談者:母(28歳)
子供:娘(1ヶ月)
相談内容:母乳育児について相談です。
無事に出産を終え、育児を開始したばかりの新米ママです。
娘はやっと一ヶ月たったところです。
子供は完全母乳で育てたいとずっと思っていたので、がんばって母乳をあげているのですが、最近、ちゃんと足りているのか心配です。
あまり自分の母乳の出が良くないような気がしています。
先日の一ヶ月検診では、体重は一応増えていて問題ないとは言われたのですが、母乳を欲しがる回数がとても多く、よく泣きます。
実家の母がそんな様子をみて、ミルクをあげなさいと言います。
私自身もミルクを足した方がいいのか迷う時もあるのですが、哺乳瓶に慣れて母乳を飲まなくなったら困ると思うと、ミルクを使えません。
食生活は気をつけている方だと思うのですが、この先、十分な母乳が出るようになるには、どんな点に気をつけて食事をすればいいか、アドバイスよろしくお願いします。
この度はご出産おめでとうございます!
初めての出産&育児で、産後の一ヶ月というのは非常に肉体的、精神的に疲れる期間を過ごしていらっしゃることと思います。
そんな中、完全母乳で育てたいという気持ち、よく分かります。
母乳の素晴らしさについては、あちこちで情報が発信されてますから、完全母乳育児にこだわりたいママは多いでしょう。
それだけに、母乳不足ではないかという悩みもよく聞きます。
赤ちゃんに十分な母乳を与えられるようになるために、まずは母乳が出にくくなる原因からチェックしてみましょう。
・食べる量が少なく栄養不足になっている
・水分補給が不十分で水分が足りていない
・貧血気味で母乳の元である血液が足りない
・体が冷えて血流が悪くなっている
・睡眠不足や育児の疲れでストレスが溜まっている
母乳育児を継続していく上では、肉体的ケアと、精神的サポート、どちらも欠かせません。
ですから、食生活に気をつけるだけで母乳不足が解決するわけではなく、睡眠不足やストレスの解消も大切であることは忘れないでいて下さい。
意外と盲点なストレスが、実家帰りした時の母親や新米パパの「母乳、足りてないんじゃないの?」の一言だと言われています。
ママはおそらく産院で母乳育児の指導をきちんと受けてきますが、母親は昔の知識しかなく、母乳への理解が浅い場合があります。
パパに至っては、ほとんど知識がないまま育児がスタートしますから、我が子の鳴き声におろおろして、泣く原因を授乳がうまくいってないからではないかと、悪気なく考えるものです。
ママは周囲の声に不安にならず、逆にみんなで母乳育児についての正しい知識を学び、継続のために必要なことをうまくサポートしてもらいましょう。
では次に、母乳量を増やすための食生活についてまとめます。
・基本は和食中心
→洋食は脂質が多くなり母乳がつまりやすくなるので控え目に
・体を温めるメニュー
→根菜たっぷりのスープや具沢山の味噌汁など、水分も一緒に摂れるものがオススメ
・飲み物は水、ノンカフェインのお茶、ハーブティー
→冷やしすぎず常温やホットで飲む。タンポポ茶は母乳の分泌を良くすることで有名
・鉄分豊富な食事メニュー
→小松菜や黒ゴマ、ひじきがオススメ。極度の貧血持ちの場合は病院に相談して鉄剤を内服する方法もある
・手軽な栄養補給メニューを用意しておく
→青汁、お汁粉などは手間がかからず栄養補給できる
3食しっかり和食中心で食べられるのが理想ですが、産後は食事まで手が回らない!というのがママの本音ですよね。
全部自分でやろうとせず、人手を借りたり、手軽な栄養補給メニューを取り入れることで、バランスの良い食事をしていきましょう。
体を冷やす生野菜よりは温野菜、根菜をたっぷり食べ、血行不良や冷えを予防しましょう。
また、母乳をあげていると想像以上に水分が失われます。
特に夏場は要注意!
1日に3リットル、夏場なら5リットルの水分補給が目安と言われていますから、こまめに常温の水を飲むようにしましょう。
最後に、完全母乳を実現するには、あまり気負わないことも大切です。
ミルクには絶対頼りたくない!などと決めると、それが焦りやストレスになって母乳分泌に悪影響だったりします。
たまにはミルクも足してみつつ、ゆったりとした気持ちで、赤ちゃんに繰り返しおっぱいを吸ってもらいましょう。
赤ちゃんにとっては、母乳を飲むことだけでなく、ママに抱かれるその時間そのものも大事ですからね。
(2014/7/1 食育指導士・相楽まりこ)