相談者:主婦(28歳)
子供:息子(2歳1ヶ月)
相談内容:うちの息子は食にとても関心のある子で、なんでも食べます。
それはすごくありがたくて助かるのですが、最近、ジュースやお菓子の味を覚えだして、頻繁に欲しがるようになって困っています。
元々の原因は近所に住んでいる祖父母の影響で、祖父母の家に遊びに行ったり、祖父母がうちに来たりするたびに、何でもおいしそうに食べるからといって、次々に甘いものを買ってきて与えます。
孫が喜ぶ姿を見たい気持ちは分かりますが、それにしても最近やりすぎだと感じることが多く、私がイライラしてストレスです。
旦那さんの両親なので、あげないで下さいとなかなか言いづらい雰囲気もあり、いつも見て見ぬふりをするか、食べ物から興味をそらそうとしてみたりするくらいしかできません。
でも、食いしん坊の息子は誘惑に勝てるわけもなく、祖父母に会うと結局いつもお菓子やジュースを食べ過ぎて、晩御飯の食べが悪くなります。
どう対応していけばいいでしょうか。
今回のご相談も、「この悩み、あるある!」という声があちこちから聞こえてきそうな内容ですよね。
おじいちゃんおばあちゃんは、孫が喜ぶからといって、ついつい何でも食べさせたくなる。
それを傍らで見ている親は、内心「やめてー」と思っている状況。
さあ、どう解決していけばいいでしょうか。
今回の相談内容からは、お子さんの普段の食生活にはとても気を遣っているお母さんだという印象を受けますから、基本はバランスのとれた健康的な食生活を送っているのだと思います。
だからこそ、たまにイレギュラーでお菓子やジュースをいっぱい食べる日があるのが気になるのでしょう。
いったいどのくらいの量をあげてしまうのか分からないので何とも言えませんが、おじいちゃんおばあちゃんからたまにもらう特別な食べ物は、許容量であれば大目にみてしまおう、というのが私の考えです。
両親がめったに食べさせてくれない甘いお菓子やジュースをくれる人たち=おじいちゃんおばあちゃんだ、と子供が認識し、甘えたり懐いたりする体験は、子供にとってそんなにマイナスではないと思います。
逆に、おじいちゃんおばあちゃんも両親と一部も違わぬ思想を持っていて、常に統一感のある食生活をしている方が、子供は窮屈だと思います。
色んな考えの大人が周りにいることで、子供はどの大人にどんな態度をとれば、どんな反応が返ってくるか、賢く学んでいるのです。
食育では、栄養面のことだけでなく、そこで生まれるコミュニケーションも大事にして欲しいなと思います。
そう割り切ってしまえば、普段お母さん自身が健康的な食生活を心がけているのであれば、そもそもそれで十分ですから、イライラしなくても大丈夫です。
ただ、与えられるお菓子の量がとても大目に見れるものではない場合や、同居していてお菓子を与える頻度が週に数回では済まされない場合などは、やはり何か対応が必要になってくるでしょう。
低年齢から大量のお菓子を食べることで、どんなデメリットがあるのか、ざっとまとめてみました。
・お菓子には糖質、塩分、脂質が大量に含まれている場合が多く、栄養が偏りがちとなり、心身の発達に悪影響を及ぼす恐れがある
・人工甘味料、香料、防腐剤などの添加物を体内に過剰に取り込んでしまう
・自然な食材からの風味を覚えるべき時期に、刺激的な味を先に学習し、そればかり好むようになる
・3食の基本的な食生活のリズムが作りにくくなる
・大量の糖分摂取によって虫歯のリスクが高まる
・将来的な肥満リスクや、健康面で問題を抱えるリスクが高まる
ざっとまとめただけでも、様々なデメリットがあります。
実際に、お子さんの虫歯、肥満、生活習慣で既に困っていることがあれば、それを祖父母に報告し、食生活を改善することが問題解決につながるので協力してほしい、と伝えましょう。
自分たちが好きなだけお菓子を与える行為が、結果として孫に問題を起こしていると理解してくれれば、きっと行動を改めてくれるはずです。
その際、祖父母の行為を否定して孫との交流を奪ってしまうような伝え方にならないよう、どう伝えるかを事前に考えておくと、より協力してもらいやすくなるでしょう。
どうしても自分で言いづらければ、旦那さんとまずはよく話し合い、共通理解をはかって、旦那さんからうまく伝えてもらうのも手です。
いずれにせよ、孫の健やかな成長を願う気持ちにうったえれば、きっと分かってもらえるはずなので、コミュニケーションを避けずに頑張って伝えていきましょう。
・なるべく具体的な例(商品名など)を挙げて、与えても良い体にいいおやつを紹介し、それを与えるように協力してもらう
・子供の大好物の食材を使った手作りおやつのレシピを紹介する
・お菓子やデザートは、みんなで一緒にお昼ご飯をちゃんと食べた後のご褒美のタイミングであげたいと提案する
・どうしてもあげてほしくないお菓子があれば、どう子供にとってデメリットなのかを具体的に説明し、あげないようにお願いする
(2014/3/26 食育指導士・相楽まりこ)