相談者:母(39歳)
子供:息子(6歳、3歳)
最近、人工甘味料が糖尿病のリスクを高めるというニュースを目にしました。
私は家族が糖分をよりすぎないよう色々と気を付けているので、カロリーオフや糖質ゼロという文言がある食品をよく購入していたのですが、こうした商品には人工甘味料が使用されていますよね。
息子たちは人工甘味料が使用されている清涼飲料水などをよく飲んでいますし、主人も糖質オフのアルコール飲料などから多く摂取していると思います。
そもそも、人工甘味料がどんなものなのか、実はよく分かっていないということにも気付かされました。
やはり人工的なものということは、体にとってマイナスなのでしょうか。
人工甘味料は、過去一世紀の間で私たちの食生活に多く使用されるようになった甘味料です。
天然の甘味料と比較してカロリーが少ないという特徴があるため、ダイエットブームや健康志向と相まってどんどん活用が広がりましたよね。
急速に広まり今では当たり前のように口にしているため、今回の質問者さんのように、そもそも人工甘味料がなんなのかについてちゃんと認識している人って、実は少ない気がします。
今回は、人工甘味料について詳しくまとめ、安全性についても現時点で分かっていることを紹介したいと思います。
・ショ糖(サトウキビなど)
・ステビオサイド(ステビア)
・グリチルリチン(甘草)
・ハチミツ
・メープルシロップ
・果糖(フルーツ類)
・麦芽糖
天然ものの甘味料は、ヒトの消化器官で消化吸収され、エネルギーとなります。
安全性の面で問題はありません。
ただ、少量でも高カロリーであるため、過剰に摂取するとエネルギーとして燃焼されなかった分が脂肪としてため込まれ、肥満を引き起こすというデメリットや、急な血糖値の上昇で血糖値コントロールが困難になるという心配もあります。
続いて人工甘味料についてですが、人工甘味料は「合成甘味料」と「糖アルコール」の二種類に分けられます。
・サッカリン
・アスパルテーム
・アセスルファムカリウム
・スクラロース
・ネオテーム
化学合成で作られる上記の人工甘味料は、カロリーは少なく、血糖値上昇の心配もないため、糖尿病の治療や糖質制限の食生活などに取り入れられていますが、一日の摂取許容量は決められています。
ゼロカロリー飲料などによく使用されていますが、極端な飲み方をしない限り、一日の許容量を超えることはないと考えられます。
ただし、人工甘味料の研究はまだまだ現在進行形です。
お菓子や清涼飲料水など、気付かないうちに日常的な大量摂取をしていないか、ちゃんと意識しておく必要はあると思います。
・キシリトール
・ソルビトール
・エリスリトール
・マルチトール
・ラクチトール
キシリトールは野菜や果物にも存在し、ソルビトールはナシやリンゴ、エルスリトールは花の蜜などにそれぞれ含まれており、マルチトールは麦芽糖、ラクチトールは乳糖を原料としています。
ただの天然甘味料と異なり、原材料に水素添加をして製造されたり、微生物によって発酵させて製造されるなど、商品として人工的に作っています。
また、一般的な砂糖よりも消化吸収がされにくいので、低カロリーで血糖値の乱高下も防げるという点も特徴です。
人工甘味料といっても、糖アルコールの安全性は確立しています。
今回、人工甘味料が糖尿病のリスクを高めるという研究報告がリリースされていましたが、これは、サッカリンなどの合成甘味料を長期に渡り継続摂取していくと、腸内細菌に変化が起こり、耐糖能異常が起こる、というマウスとヒトを対象とした実験結果に基づいた情報です。
人工甘味料に関する研究はまだまだこれからで、今回の結果が今後の研究にどうつながっていくのか、これからも見極めていく必要がありそうです。
そして、私たち親は、子供たちが口にする食べ物、飲み物に使用されている糖質はいったい何なのか、どのくらい含まれているのか、少し意識を高く持ち、ラベルをチェックしておくことが大切ではないかと思います。
(2014/10/8 食育指導士・相楽まりこ)