世界でひとつの和包丁を作れ!!
公開日:
:
最終更新日:2014/05/20
雑学みたいなの
和包丁と和包丁の
(外見の)一番わかりやすい違いは「柄」です。
和包丁は柄に刃を差し込んで固定してますが、
洋包丁は柄に刃を鋲止めして固定しています。
柄が差込式の洋包丁もありますが・・。
というわけで
なぜ突然「和包丁」と「洋包丁」かといいますと・・・
2週間くらい前でしょうか。
嵐の相葉くんの番組で、「相葉マナブ」というのがありまして、
その番組で「世界でひとつの和包丁を作れ!!」という企画をやってたんです。
「日本刀の流れを汲む、和包丁」なーんてテロップが出て。
江戸の和包丁の職人さんが出てきて、
手作りの和包丁の作り方を相葉くんたちに伝授してました。
鍛造(たんぞう)から始まって・・・
包丁のカタチに切ってから、
「焼き入れ」や「焼き戻し」「ひずみ取り」の工程も
ちゃんとやっていました。
が、
変なんです。
最後に、相葉くんが「刻印」を入れてたんです。
でも、そんなわけないんです。
本当に鋼の無垢材を焼き入れして作ったんだとしたら
その包丁には、硬くて刻印は入らないんです。
相葉くんがとんとんと叩いたくらいで、
刻印が入るわけがないんです。
ありゃりゃーと、思いながら、その日は終わったんです。
で、後日。
鍛冶師の八間川さんの原稿を編集していて
そのことを思いだしたんです。
ユーチューブで探してみたら、ありました!
早速観てみると・・
僕の勘違いでした(笑)
ごめんなさい。
鍛造はしてませんでした。
しっかり「地金」で鋼を挟んでおりました。
「鍛接(たんせつ)」ですね。
柔らかい地金になら、
焼き入れの後でも刻印を打つことは可能です。
「日本刀の流れを汲む、和包丁」
というテロップを見て、
勝手に「鋼の無垢材」と思い込んでしまったんです。
確かに日本刀も
「地金」で鋼を挟んで造るものがほとんどです。
伝統的な「古式鍛造方法」で造っていたのは
室町時代くらいまでだったかな。
戦国時代以降は、無垢の日本刀は絶滅危惧種。
むしろ、
鋼の無垢材で造った日本刀のほうが珍しい存在になっちゃいました。
大量生産による鋼の質の低下とか
無垢材で造れなくなった理由はいろいろあるみたいですが
戦国の世に活躍した刀のほとんどが
無垢材ではなく
数種類の鋼を組み合わせて造った「新製法」の日本刀なんです。
なので、超細かく言うとすると
「新製法の日本刀の流れを汲む、和包丁」かな(笑)
うん。
これなら、勘違いしないで済みます。
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